カスピアン王国の王女セシア=ティスティールは、生まれしときより病魔に魅入られていた。あるとき王は娘を助けることができる秘薬、満月の夜にのみ蕾を開く神秘の花『月下草』があることを知る。若き近衛の騎士カイン=カーマインは王の命により「月下草」の探索を命じられる。アドベンチャーパートとRPGパートを交互に進めていく形式のファンタジーRPG
このゲームは、主にアドベンチャーパートとRPGパートに分かれている。アドベンチャーパートでは城下町を移動し、町の住民と会話して情報を収集したり、アイテムの購入などを行う。状況によっては、ストーリーに関わるイベントが発生することもある。RPGパートは、カインと共に探索するパートナーを選択し、クォータービューの擬似3D形式となっているダンジョンを探索する。
最大の見所である戦闘はセミアクティブバトルで、アクティブゲージがたまったキャラクタから順に行動できるようになっている。行動選択は「攻撃」「防御」「特技」「道具」「精霊」「退却」の6種類。このゲームは比較的レベルアップしやすく、レベルアップするとHPやMPが全回復するので出し惜しみすることなく「特技」を選択することが多い。しかし「精霊」については、一回の戦闘につき一度しか召喚できない上に、精霊のレベルにより召喚回数が限られているので、使いどころを考えた方がいいだろう。
通常の「攻撃」については多少アクション要素が含まれており、攻撃を選択するとパワーゲージが表示されゲージが高速に増減を繰り返す。その時、タイミングよく決定キーを押したとき、ゲージの量が多いほど大きなダメージを与えられる仕組みになっている。また、キャラクタの攻撃が敵にヒットする瞬間を見計らってもう一度決定キーを押すと画面に『JUST』の文字が表示され、敵に大ダメージを与え同時に敵のアクティブゲージを減らすこともできる。それと同様に、敵から通常攻撃を受けた際にも、タイミングよく決定キーを押すことで、自身のアクティブゲージを増やして行動を早めることもできる。ただし、受けるダメージ量も増えてしまうので注意が必要だ。
≪感想≫
最初に感心したことは、独自プログラムでこれだけのものが制作できることに驚きました。ちゃんとゲームパッドも認識するし、ボタンを押せばキャラを走らすこともできる。戦闘でのセミアクティブバトルでも素早さによる行動順での戦略を立てる幅が広がり、目押しによる攻撃アクションで劣勢を立て直すことが可能な点。また、戦闘時の特技や精霊召喚は派手なエフェクトなど、全体的にグラフィックに力を入れている点も評価できました。
また、特技はレベルアップによる習得ではなく、各地に散らばる秘伝書によって身につけることができ、精霊も同様に見つけ出して契約するという形になっており、ダンジョンの探索にも力が入るというもの。RPGパートで連れて行くパートナーによってイベントが変化するなど、サブストーリーも楽しむことができるように配慮されているところなど、何度も楽しめるRPGです。