幼少の頃、剣士「ジャンルーカ」に目の前で両親や友達を殺されたことから、友達の形見である“ひよこの着ぐるみ”を着て、世界一の剣士になるべく修羅の道をゆく主人公の生涯を追う物語。師匠である「ユキムラ」の言葉『剣にすべてを捧げられない奴は負ける』に従い、出会う剣士には生死を賭けた勝負を挑む。まさに情けは無用の“侍”の世界だ。ゲーム名“ひよこ侍”からは想像できないほど、ダークでハードなストーリー。それだけに、戦闘システムがツクール作品でも異色で、間合いや駆け引き,覚えた剣技が勝敗を決するリアルで楽しいアクションRPGだ。
このゲームを紹介するにあたって最大のポイントは、独特な戦闘システム。戦闘状態に入ると、サイドビューに切り替わる。戦闘は常に一対一で、主人公が右側、敵が左側に配置される。左右の十字キーでキャラを前後に移動、ボタンにより攻撃や防御を行う。攻撃は通常攻撃のほかに、戦闘中に十字キー“↑”で上段に構える。同様に“↓”で抜刀の構えをとる。それらの構えからの派生が“上段技”と“抜刀技”だ。それぞれ、多段攻撃や防御無視など強力な技が多数あり、イベントなどで次第に修得していく。
戦闘中は回復ができない上に、ダメージ量が高い。なので間合いや攻防のタイミングなど、敵の先を読むまさに一対一、一瞬が命取りの侍の果たし合いだ。この戦闘がとてつもなく面白く、レベル上げの戦闘でも苦も無く何度も闘っても飽きない。非常に完成度の高い戦闘システム。RPGで戦闘が面白いというゲームなかなか見当たらない。そういう意味では極めて貴重なゲームだといえる。
≪ 感 想 ≫
このゲーム、何処をオススメとしてあげるといえば、一にも二にも戦闘です。ツクールでもこういうことが出来るのかとビックリでした。ストーリー的には剣の道をゆく男の話なので、普通のRPGと思ってプレイすると鬱になるかも。主人公自体が孤高の道をいっているので、基本的に登場人物との馴れ合いは無いものと思ったほうがよいです。強い奴をみたら斬り合う世界なのです。また、ゲームオーバー時の画面には、低年齢層には少し刺激の強い絵が出てくるので注意が必要です。