魔法学院に通う生徒の一人「コウ・アマノ」が主人公。ある日の朝、遅刻しかけの通学途中だった彼は、暴走したホウキに乗る「サヤ」という少女を危ういところ間一髪で助ける。助けた彼女は、偶然にも今日から同じクラスで学ぶ転校生だった。
サヤをはじめ個性的な友人たちと共に、コウは学院での楽しい時間を過ごすのだが...。あるとき、一人の生徒が失踪したのをきっかけとして、学院内で奇妙な事件が起こり始める。これら怪事件の解決に向けて、コウを中心とした生徒達が動き出した。魔法学院での生活を題材にした、恋愛あり,笑いあり,戦闘ありのファンタスティックビジュアルノベルです。
前半は笑いを交えたほのぼのとした学院生活の部分になっているが、事件発生後はゲーム性が一変する。後半ではノベルゲームでありながらも戦闘部分があるなど、ただ単に読ませるだけではない工夫がされている。その為か、後半ではファンタジーRPGのようなノリになっていく。その意外性が面白いのだ。
学園特有の恋愛模様は、男の友人ツヅキの存在が可哀相になってくるくらい、主人公「コウ」は自分がモテモテなのに天然で気づいていない朴念仁。なので恋愛描写は少しあるけど、最終的にフラグが立ってどうこうという所まではいかない。
大抵のノベルゲームにあるような選択肢は無く、基本的には読み進めていくのみ。しかし、前述した通り戦闘シーンがあり、その戦闘部分での魔法攻撃がボタンを連打やゲージに合わせてタイミング良く押すなど、ゲームとして緊張感を持たせる工夫をしている。また、ゲーム内に出てくる魔法具の説明が雰囲気のある絵と共にされて、独特な魔法の世界観がよく伝わってくるのも評価したい。
≪感想≫
最近は鬱系のゲームが持て囃され気味かと思いますが、私としては明るいタッチの絵や学院友達同士のドタバタ日常会話などがある、こういった小気味良く後味すっきりのノベルゲームも好きです。それにしても、やはり製品版として制作されていただけあって、全体的なレベルと完成度は非常に高い。それだけにダウンロード容量は大きいですが、プレイする価値は十分にあると思います。ファンタジー好きの方には特にオススメの作品です。