世の中には悲しいことが溢れていて、自ら命を絶つ人の数が増え続けている。それは“セツナ病”という病気だとされた。国は研究を重ね、セツナ病対策のために街をつくった。その造られた街に住む「黒目」は、患者の中にある辛い悲しい記憶“錆色の記憶”探して、もう二度と現れないように封じる仕事をしている。そう彼の仕事は“記憶封士”である
ある日、その“錆色の記憶”をもった「ラ」という名前の少女が「黒目」のもとにやってくる。彼女は目から絶えず涙をこぼすほどの重症患者だった。二人は“錆色の記憶”を封印するために一緒に暮らし始める。よくまとまった綺麗な文章と落ち着いたオルゴールの音色が心地よいサウンドノベル。
≪感想≫
選択肢はなく、基本的に読み進めていくだけのサウンドノベルです。ですが、章ごとに区切られたストーリーは展開力があり、文章も良くまとまっている。それに静かに奏でるオルゴールの音により、リラックスしてゲームを読み進めていくことができます。
ストーリーは「黒目」と「ラ」の日常生活の描写から、ゆっくりと落ち着いた雰囲気でゲームは進んでいきます。黒目を訪ねる患者や、他の封士たちなどの様々な出会いから、「TRUE REMEMBRANCE」(真実の記憶)といったゲーム名のとおり、後半になるにつれて真実が明らかになっていきます。この意外な真実に驚かされました。心に深く沁みこむ優しいお話。プレイし終わった後は、じわりと心暖かくなる素敵なノベルだと思います。