コメント数は12回です
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『宵染奇劇・黄昏物語』へのコメント(2021年3月 8日 19:54)
『OR逆転裁判(二次創作)(第3話更新!)』へのコメント(2020年11月 5日 20:27)
二次創作といえば好きな原作キャラを使いたくて作られるのが一般的ですが、
この作品に出てくる原作キャラはほんの数人で、それ以外は皆オリジナルキャラです。
正直原作キャラの名前を少し変えれば、一次創作として公開しても問題ないレベルでした。
一方でオリジナルキャラといっても、個性は皆本家に劣らない程の曲者ばかりです。
例えば主人公は炎属性の弁護士ですが、事毎に謎の炎を噴き上げたり無表情で机に乗り上げたりします。
何よりキャラ同士のウィットに富んだ会話劇には何度も笑わせられました。
推理の質も高くチュートリアルの1話は割とあっさり終わりましたが、
2話以降は尺が一気に長くなって、身に危険が迫る場面や視点移動等も加わりとても没入できました。
しいて挙げれば脱出パートもやりたかったのと、学校の地形に無理を感じたのが気になったくらいです。
未完なこともあって評価は星4にしましたが、それも星5に近い星4という感じです。
あとはロジカルな人にありがちな落とし穴に気を付ければ、相当な良作になると思います。
『ドールリコレクト』へのコメント(2020年10月 3日 19:52)
フリーの推理デスゲームも今や2桁を越える作品がありますが、その中でもこれは上位に入ると思います。
このジャンルは制作が大変なのか完結作が少ない中、この作者さんは既に2作完結させているのも凄いです。
全体的な感想としては良くも悪くも前作と同じような感じです。
トリックの完成度は高い一方で、それ以外の描写は淡白でBGMも基本デフォルトです。
勿論物語性が増して終わり方ももやもやなく終わったり、キャラグラが上手くなっていたり、
タイトル画面を使ったギミックがあったりと、前作より良くなったところも色々あります。
とはいえ本当にやりたいことはあくまでトリックや伏線みたいなところであって、
それ以外の例えばキャラに感情移入させるとかには、そもそもあまり関心がないように感じました。
なのでそういう意味では寧ろ『パラレルメイズ』の方がらしさは出ていると思います。
『地球の形見』へのコメント(2020年8月 3日 23:12)
ジャンルは見下ろしアクションで色々な惑星を駆け回ります。
探索する惑星にはそれぞれ特徴があって、マップの完成度も高いので視覚的にも楽しめます。
ストーリーは文章ではなく主に演出だけで語られるのが大きな特徴です。
雰囲気は終末感やホラーが強めで、ありがちな王道ではないのが売りの一つです。
特にラスボス戦は今までプレイしたフリゲの中でも印象に残るバトルでした。
ちなみにラスボスの配下に四天王もいて、そこら辺はお約束な感じです。
細かいところでは独自の言語が出てきたりもします。
但し短所もあって即死や初見殺しがあったり、探索やレベル上げが面倒だったりと人を選ぶ部分もあります。
逆にそういうのが問題なければプレイしてもいいと思います。
ちなみに世界観が共通の『クチダケ』もおすすめです。
『フィギュアディテクト』へのコメント(2019年4月22日 20:17)
いわゆるいつものデスゲームですが、推理は仮想現実の舞台を生かした意外なトリックが目白押しです。
色の伏線もちゃんと回収されていましたし、最後も余韻の残る終わり方で良かったと思います。
ある重要なポジションのキャラが割と早々に退場したのも意外性がありました。
キャラも立っていて立ち絵も本人が気にしている程悪くないと思います。
シミュが死なない設定は、殺されるかもしれないスリルが味わえないので一長一短ではあります。
実は前情報なしでプレイしたんですが、クリア後に他のレビューを見たら予想以上に高評価で驚きました。
ただ個人的には惜しいところもあって、それは主に物語やキャラの淡白さです。
あまりにあっさりだったので、1週目はノーマルで2週目でトゥルーに行けるのかと思った程です。
具体的には2週目でシミュの記憶が書き換えられていたことが判明するとか、
裏世界への隠し通路が見付かるとかがあるのかと思っていました。
何より作中の結末では本質的な解決に至っていないのがもやもやとしました。
もしそこで痛快な解決方法が提示されていれば、評価は今よりも上がっていたと思います。
『夜底奇劇・星空物語』へのコメント(2019年1月30日 21:07)
革命と家族がテーマの長編RPGで3部作の1作目です。
結論からいえばストーリーはフリゲベスト3に入る程の面白さでした。
某ブログともS評価で意見が一致していて、客観的にも間違いなく面白いんじゃないかと思います。
中でも台詞回しのレベルは相当に高く、変にお洒落ではないど直球な言い回しが心に響きます。
例えば味方キャラも「殺し合う」とかそういう言い回しを普通にします。
勿論ただ言っている訳ではなく、キャラの一人一人に色々な背景があるので感情を揺さぶられます。
泣ける良作は数あれど、ここまでぼろ泣きできる名作は中々ないと思います。
この作品の売りの一つに、途中から敵側のキャラを操作できることがあります。
つまるところこの作品はダブル主人公であって、そのギミックを最大限に生かした物語です。
他にも「1マスのタイルをこれ程意識したことがあっただろうか」というゲーム的な面白さもありました。
グラフィックや音楽もシビアな物語によく合っていて、派手ではないけれど地味すぎない趣きがあります。
特に意外だったのが歩行グラで、この物語との食い合わせの良さには驚きました。
UIも舞台劇風で赤地のウィンドウに和風のフォントが使われています。
コマンドもロード中が「スポットライト調整中」で、逃走が「戦略的撤退」だったりと芸が細かいです。
一方でゲーム面は完成度の高い長編RPGの中では平均的な出来だったと思います。
とはいえ難易度設定やエンカウント無効が可能なのでストレスフリーです。
3部作の1作目だけあって、伏線もワタベ家の話を中心にまだまだ残っている感じです。
表世や語り部が今後物語に関わってくるのかも気になるところです。
ここで終わらせても十分傑作ですが、「1作目で終わらせた方がよかった」と思わせない仕掛けを入れつつ、
このレベルを維持して作れば3部作にしても全く問題なく名作に仕上がると思います。
何より続きをやりたい気持ちの方が強いので続編に期待しています。
しいていえば個人制作ではないのでメンバーに欠けが出ないかが心配ではあります。
『紅く追憶の水葬』へのコメント(2018年11月24日 23:07)
ラハの作者さんの初のノベルですが、今までのRPGよりも完成度が高く感じました。
但し推理ものという観点で見ると評価はそれ程でもなく、
この作品の本質は寧ろ家族の関係を描いたドラマにあるといえます。
ちなみに厨二という意見が多いですが、どちらかというとメタ厨二だと思います。
とはいえメタネタが実際の事件にまで関わっているのはさすがにどうかと思いました。
気になったところはネタでは済まない性犯罪者が何のお咎めもないことで、
せめて女性陣の制裁の演出とかがないと単に不快なだけだと思います。
システム面では動作が若干重いのが少し気になりました。
あとネタバレページのQ9の内容は個人的には作中に入れてほしかったです。
この作者さんの作品は作風の割に手堅い印象が毎回あるので、個人的にはそこが課題のように感じます。
『TwinEgg ~狂気の村と二つの神~』へのコメント(2018年11月 7日 22:45)
ジャンル分けが難しいですが、あえていえばエンタメ寄りの現代ファンタジーといった感じです。
卒業制作という性質からかフリゲの文脈を汲まない作風になっていて、物語には妙な壮大さがあります。
シナリオは3つの物語とそれらが繋がる完結編の4つで構成されています。
未論土編は現代日本の山村という舞台に、あえてファンタジーを取り入れたことが話を面白くしていました。
バスジャック編は頭脳戦が繰り広げられますが、ここら辺は割とありがちな感じでした。
事件編は警察本部で物語が進むのが意外と見ない展開で、殺人現場での呪いの電話の演出も良かったです。
完結編は意外と盛り上がりに欠けますが、トゥルーを出すための物語の変化のさせ方は上手かったです。
あとこれは個人的な意見ですが、敵側の視点での過去編があっても良かったんじゃないかとは思いました。
この作品の大きな特徴として、色々なところでも言われていますがツッコミどころがとにかく多いです。
例えばバスジャックを14ヶ所で行う必然性がないとか、敵の人数がバスの台数よりも少ないとか、
特殊部隊が弱すぎるとか、そんな簡単に抗体を持つ人が見付かるのなら探せばいくらでもいそうとか。
ただそれらは割と意図的に狙ってやっているようにも感じます。
その証拠に要点はちゃんと抑えてあって、不快になるような粗はほとんどありません。
一番気になった神を見た礼の態度の急変も終盤にちゃんと説明がありましたし。
とはいえおばあさんの性格が毎回ころころ変わったり、
来夢の敵への攻撃を皆が一斉に止めに入ったりするのは、さすがにご都合すぎるとは思いました。
勿論ツッコミどころだけでなく面白かった部分も沢山ありました。
一番良かったのは来夢が敵を殺める際に自分が人殺しであることを認めて葛藤もなく不問にされるところで、
その人間のリアリティを力説したのが殺された本人だったところは皮肉を感じました。
架空の生物が現実世界に現れた際の人間と生物本人の反応の差にも皮肉があります。
他にも敵リーダーの立ち絵やタワーの名前には厨二心をくすぐられます。
グラフィックや音楽やシステムも高水準で、プレイして損のない良作です。
『アーク・エンカウンター完全版』へのコメント(2018年10月 3日 23:12)
プレイしてまず思ったことは松岡○造並みの暑苦しさがあることです。
途中でネタを挟むような予防線も一切なく、使われている曲もロックです。
ここまでくるとさすがに好みからは外れますが、他では味わえない新鮮さはありました。
立ち絵は素材ですがシナリオの完成度は高く、設定は意外に作り込まれています。
グラフィックが良ければ他の高評価のノベルにも匹敵する出来になっていただろうと思います。
気になったところは面白い部分とそうでない部分の差が激しく、
具体的には議論や説明の場面は面白いですが、日常や戦闘の場面はそれ程でもないように感じました。
逆に敵側の日常が全く描かれていないので、そこら辺は世界観の説明のためにもあった方がよかったです。
あと途中までは若者達の物語なのに、終盤になって大人達も参戦するのは方向性のぶれを感じました。
最後の展開は主人公とその宿敵が共闘する流れになってほしかったなとは思いました。
『ヒトミサキ』へのコメント(2017年10月21日 21:42)
推理もののフリゲは色々ありますが、完成度の高い作品はどうしても捻ったものになりがちです。
そんな中でこのヒトミサキはまさしく完成度の高い正統派の推理ものでした。
作りも丁寧で売りであるノスタルジックな雰囲気も随所から伝わってきます。
物語には変則的な波があって、平穏な時間が長く続いたかと思えば急に二転三転したりと色々してきます。
推理の難易度は高めで何度もゲームオーバーになり、犯人の目星もつきません。
プレイヤーの都会的な黒い心に漬け込んでミスリードを誘うような感覚もあります。
物語は都会に住む主人公が火事により家族を失い、
昔住んでいた一見崎に来るも早々に事件に巻き込まれるところから始まります。
そこから事件や推理が始まりますが、同じくらいノスタルジックな一見崎の探索にも魅力があります。
何せ一見崎の村人は皆優しく村社会っぽさは一切ありません。
事件解決にも多くの村人の協力を借り、終わる頃にはモブなんていなかったと思えてきます。
他にも携帯がキーアイテムの一つだったりと、とにかくノスタルジック推しの作品でした。
そんなこんなで結末を迎える訳ですが、色々と考えるところもありました。
犬飼事件と三崎事件の対比は韻を踏んでいて、主人公と犬飼事件の元容疑者が違う選択をしたのも、
もしそれぞれが逆の選択をしていたらと想像してしまいます。
物語の主要人物達がそれぞれの理由で全員一見崎を去るのも、
まるで一見崎が近い将来なくなることを暗示しているようで物悲しい結末です。
グラフィックや音楽は雰囲気に合っていて、特に捜索時の曲は熱いながらも哀愁が漂っています。
システムは若干至らない部分はあったもののほとんど気になりませんでした。
物語の中盤は事件が立て続けに起こって犯人に狙われている恐怖がありますが、
終わってみれば脅かしや犯人との戦闘はなく、あくまで推理ものに徹していたのは好印象でした。
『自由ナ人生ハ、イカガ?』へのコメント(2017年10月14日 22:45)
ウディタ製ですがジャンルとしてはほぼノベルです。
見下ろしで操作するところや戦闘も少しだけあります。
物語は結末のどんでん返しやブラックなオチが週刊ストーリーランドを彷彿とさせました。
オチはきれいごと抜きの本音がコミカルに描かれています。
合わない人もいそうですが、基本的には多くの人が共感できる「そりゃそうだ」という感じです。
コンパクトな短編ながら話を面白くできていたので終わってみれば良作でした。
ただ犯罪的な行為やチートすぎる能力は、時代が現代なだけに少しだけ気になりました。
あと欲をいえばもう少し風呂敷を広げてもよかった気はします。
とはいえ設定を練りすぎてもあれなので、このくらいが丁度良いのかもしれません。
あとジャンルはRPGではなく、ノベルとして公開した方が良かったんじゃないかとは思いました。
『ThisTimeOnly -Ash Rain-』へのコメント(2017年8月12日 23:40)
スチームパンクな世界を駆け巡る王道RPGです。
王道の度合いはかなり高く、慣れている人なら先の展開を予想できる程のお約束感があります。
一方で世界観はかなり作り込まれていて設定にリアリティがあります。
といっても例えば都市なら活気があって、田舎なら独自の生業があるみたいな感じなので、
長編にありがちな独自の世界観や設定はあまりなく、寧ろ設定が作中に溶け込んでいる感じです。
例えば何気ないマップや戦闘シーンの中にも設定が散りばめられています。
ThisTimeOnlyというタイトルだけあってテーマの一つは時間移動です。
時間移動ものには名作が多いですが、この作品は時間移動を駆使して困難を乗り越えるのではなく、
寧ろ時間移動しないことの大切さを物語のテーマとして描いています。
そこら辺はこの作者さんのいつもの安定のアンチテーゼといった感じです。
そう書くと王道っぽくなさそうですが、実際にプレイすると王道としか言いようがありませんでした。
戦闘は1ターンだけ覚醒できるエグゾーストと、それによって発動する追撃を駆使していく感じで、
連打だけではクリアできない歯応えがあります。
それ以外にもやれることはかなり多くて、自身の好みに合ったスタイルで戦えます。
但しそれらを突き詰めないとクリアできないバランスではないので、戦闘が苦手な人でも問題ありません。
何より特徴的なのはリソース管理を廃した絶妙な戦闘バランスです。
つまりAPや状態異常やアイテムや所持金といった部分で苦しむことはほぼありません。
勿論それ前提の戦闘バランスなので単に難易度が低いのとも違います。
他にもアイテムや装備の種類や入手手段も豊富で、中にはランダム要素もあります。
グラフィックに関しては何というかこの荒削り感は本当に他にはない良い感じです。
それこそマップの画像を見ただけで作者さんが誰なのか分かる程です。
マップは広くて視覚的にもリアリティがありますし、戦闘は技の演出が凝っています。
一部には効率を廃した演出もありますが、高速化がちゃんとあるのでストレスフリーです。
音楽は爽快感や高揚感を誘いますし、効果音もリアリティのあるものが使われています。
一方で短所も挙げると、好みもありますがやはりストーリーが王道すぎる気はします。
ゲーム面ではシンボルが追いかけてきて逃げても消えないことだけはさすがに面倒に感じました。
あとキャラのグラフィックに有名どころの改変が多いのは少し勿体なく思いました。
ちなみにPCによっては動作が重い人もいるみたいなので、ある程度のスペックは必要かもしれません。
色々書きましたが基本的にはRPGが好きな人なら万人におすすめできる良作です。
フリゲに全体的な完成度を求めるのは良くないですが、
とはいえここまで全体的に完成度の高いフリゲも中々ないと思います。
この作品には面白さが直感的に伝わってくるような感じがあるのでとにかくおすすめです。
結論としては今作も名作には違いないですが、前作程の破壊力はなかったのが正直な感想です。
ただし王道RPGが好きな人なら「寧ろ今作の方が面白い」と感じる人も一定数いそうです。
3部作のプレイ順の目安は「王道RPGが好きな人は2作目から、泣きたい人は1作目から」という感じです。
システムや戦闘は製作に慣れてきた感があって、前作と比べて大分プレイし易くなりました。
前作からある難易度設定やエンカウント無効も健在なのでストレスフリーです。
グラフィックや音楽等の演出面は相変わらずのアクの強さです。
具体的な感想も書くと、まず前作のキャラが次々と出てくるのが熱い展開でした。
今回新たに追加された式神システムも面白く、特にボス戦の式神同士を戦わせる式神バトルは熱かったです。
何より終盤の手紙で明かされるヒナシタ家の真実は壮絶でした。
寧ろヒナシタ家の話が本家以上に面白かったので、いっそそっちがメインでもいいくらいでした。
式神システムがヒナシタ家の話に絡んでくるところも上手いです。
一方で「利害の一致」の話は割とあっさり一致団結したので、もう少し膨らませてもよかったと思います。
例えば豊介が目的をなくして一時離脱するとか、血染織の誘惑に葛藤するとかしてほしかったです。
ラスボス戦も泣けた前作と比べると色々と物足りなかったので、これは勝手な意見ですが、
「血染織で死者を蘇生させたが襲ってきたので豊介がサシで戦う」みたいな流れの方が泣けたと思います。
ゲーム的にも欲をいえば前作のダブル主人公に匹敵するギミックがほしかったです。
とはいえそれらも含めて王道RPGっぽくなったので、決してマイナス面だけではないのも確かです。
完結編となる次回作は大統領候補のシガノや、行方不明のシガノの母親辺りが絡んできそうです。
ワタベ家の「永遠」が何なのかや、周回を選んだ際の語り部の台詞も気になります。
未回収の伏線はそこまで多くないですが、歴史も含めて綺麗に回収されてほしいです。
3作目も製作が続く限りいくらでも待つので完結に期待しています。