夢現でも紹介済みの人気作[今の風を感じて]や[天使の微笑]を制作したアルファナッツさんによるリメイク最新作! 独自の戦闘システムや盛り沢山に折り込まれた美麗なイラストとアニメ、細かなキャラ演出により人間模様を色濃く描いたファンタジーロールプレイングゲーム。
本作の主人公は[天使の微笑]でも登場した盗賊ギルドに所属する“セイル”と幼なじみの“シーナ”の二人が帝都を舞台に活躍する。シナリオとしては、ほのぼのした日常の頼み事から帝都の闇を駆け抜け依頼品を盗みだすものなど、1つの依頼を完了するまでを1シナリオとした計48個のシナリオから構成されている。1つのシナリオは10分〜30分程でクリアできる独立したエピソードであることから、ストーリーが把握しやすく気軽にテンポよくゲームを進めることができる。
特筆すべきものとして独自の戦闘システムがある。これは攻撃,大技,防御,回避,聖術からなる5種類のカードから3枚を選び、相手カードとの優劣により攻撃判定が決まるというカードバトル。カードごとにも数字による強さ分けがあり、赤・青・緑と色分けして勝負前に相手カードの強さをある程度予測できる“予告・前兆機能”を使い、なるべく有利になるよう戦況を見極めながらカードを選択する必要がある。
また、カードは通常ランダムに配られるが、強いカードの攻撃,大技ばかり選択していると、次に補充されるカードは弱いものが配られる可能性が高くなってしまうので、相手キャラの動きを見極めて回避や防御もしくは弱い攻撃カードを、相手が大技を出してくる可能性が低いと思われる場合に消化してしまうなど、様々な戦略を組み立てながらの駆け引きが熱い。
≪感想≫
能力値ポイントを自分の好きなように振り分けることが出来たり、剣技や聖術でも気に入った技や術を強くしたり、戦闘で使用する強いカードをきたるべき決戦のためにストックできたり、集めた素材を合成屋で貴重なアイテムに変えるなど、自分流のキャラを作っている感じになれるシステムが良く出来ていると思いました。また、一つの依頼を達成する時の主人公の行動によりシーフレベルや獲得報酬が変化したり、メインシナリオとは別に所持金を30万貯めるという目的も用意されているなど、細かい所まで作り込まれているのも好感触です。
また、信じられない程のイラストが豪華に使用されており、心地の良い音楽と共に「女神の涙」の世界観をより一層盛り上げています。戦闘アニメーションもキャラの動きや効果音は細部まで凝っており、攻撃や聖術はもちろんのこと必殺技や勝利ポーズのアクションまで作り込まれていて、見ていて飽きません。
本編は1000円とシェアウェアになっていますが、グラフィック、音楽、システムの完成度・満足度の観点からみても正直1000円というのはかなり安いと思います。ゲーム制作での企業と個人との差がまた一歩近づいたんじゃないかと思わせる傑出したゲームでした。また、他の作品とも関連性がありますので、女神の涙TRUEの雰囲気が気に入った方は是非とも他の作品もプレイしてはいかがでしょうか。アルファナッツワールドにどっぷりとハマっていくことでしょう。