2025年1月15日、デヴィッド・リンチが亡くなりました。
表現、アート、文化とは何か、闇の中で美しい夢を見ることがいかに素晴らしいか……
すべてデヴィッド・リンチ監督の作品から学びました。
その日が来るのはあまりに早く、突然で、いまだにドーナッツの穴だけしか見えない日々です。
■物語
映画館のロビーで待ち続ける男
老人がゆっくりと歩み寄り告げる
「上映はもう終わりました」と
そして、誰もいない劇場の闇の中へと、消えてゆく女……
■制作ツール
RPGツクールMZ

R.I.P DAVID LYNCH

上映はもう終わりました

ホテルルーム

死者たち

ブラウン管

入り口
ゲームポイント
■プレイ時間
10分程度
■ジャンル
ADV
■開発期間
2週間
最も注目してほしい点、力を入れた点
私は生まれた年の不幸から、ついにデヴィッド・リンチの新作を映画館で見ることは叶いませんでした。
それでも闇の中で夢を見ることはできます。
30分近くプレイしていたと思います。
自分は、映画とかあまり詳しくないですが、
この作品を新着ゲームのところで見かけた時からずっと気にしていました。
これは、どんな作品なのだろうか・・・と。
どう、描いているのだろうか・・・と。
上手く表現できませんけど、この作品をプレイしていた時は、
自分が映画の中にいる気がしました。
序盤は、何をして良いか良く分からず、多分、プレイ時間が長かったのは、
序盤でどうすればいいか、上手く理解できずに、いろいろ彷徨っていた感じがします。
ですが、それはそれで、プレイヤーである自分自身が映画の登場人物になっていて、とても不思議な体験をしたと感じました。
グラフィックは、ツールの素材や購入した素材…なのかな?
オリジナルの物もあるのでしょうが、素材に関する知識は乏しいので、どう評価して良いか分かりませんが、様々な素材を上手く使用して、独特の世界を描いている点は、凄いと思います。
なので、高評価ですし、中には、本当に映画を見ているのではないかみたいに思わされる箇所もあり、物凄く驚きました。
サウンドは、物凄く独特な雰囲気やゲームのコンセプトと言ったらよいのかな、そういうのに物凄く合っていると感じました。
とてつもない凄さも感じ取り、未だ、驚きを隠せない・・・というか、物凄い衝撃を受けたあとでレビューを書いている・・・けど、今のこの自分の感情をどう、言葉にして良いか分からず・・・と言った感じです。
システムは、自分のパソコンは画面が小さい為、画面をマウスでスクロールしつつプレイしないといけないのが物凄く大変でした。これくらいかな、ストレスになる事と言えば・・・
ですが、逆を言えば、画面の関係で途中で止めず、そうまでしてもプレイしてみたいと思った事も事実です。
いつか、大きなパソコンでもプレイしてみたいものです。
ただ、スクロールしながらのプレイは大変ですが、このようにしてプレイするゲーム・・・というのもアリな気がします。
このゲーム作品には、それほどの魅力があると感じました。
なので、その遊びにくいシステム?を、逆に、新しい表現みたいなものとも捉える…のもアリかな・・・と、いろいろ悩みましたが、この作品に、ゲーム制作での、新しい可能性に気付かされた気がしますので、その事に敬意を込めて、加点。
ただ遊びにくいだけなら評価は悪いですが、それに何らかの意味を見出せるのであれば別だと思います。
独創性は、プレイヤー自身がまるで映画の中にいる衝動を、プレイした後にもまだ心に残るような・・・うまく言えませんが、この作品には制作者様の魂が宿っていると感じます・・・凄すぎる・・・
総評は、上記の理由も含め、5点。
映画に詳しくない人でも、創作する事が好きな方にならオススメしたい作品です。
有難う御座いました。
最後は頭の中でジュリークルーズのナイチンゲールが流れて来た。
映画館の中でスネアドラムの音が聞けたし、ダイアンから電話もきて嬉しかった。
あの沈み込みそうになる音を聞きながら薄暗い一本道をずっと散歩したりすると、だんだん夢みたいに浮遊しそうな感覚になってリンチっぽいですよね。
狂気じみた叫び声が結構怖いくて、かなしい気持ちが伝わってきました。
ものづくりの出発点は、本当に尊敬できる作家と出会えたかどうかというところにあると思います。
そして作家が亡くなっても作品は残るという考え方には私は全く賛同できず、作品の力も段々と失われていくものだと思います。
ただそうして時間が経ったとしても、敬愛していた人のことはいつまでも思い出すのでしょう。
それは作品がではなく、その人の姿がずっと胸に残っているから。